あなたに会えて良かった

子供を育ててきた思い出達。大変なことも嬉しいことも辛かったことも全てを

Crossing

私の父は、60代後半に既にアルツハイマーを発症しており、娘が生まれた時は、既に色んなことが分からなく、出来なくなっていました。

娘が生まれた時、母とお見舞いに来てくれて、父に「おめでとう!」と言われた時は、びっくりしました。

母におめでとうと言うように言われたのかなとか。

そのくらい、色んなことが分からなくなっていたのです。

たぶん、この新生児が自分の孫だということは分かっていなかった。

娘が一歳になった頃、私達は東北に引っ越しました。

それを機に、両親は遊びに来てくれたので、奥入瀬まで足を伸ばしてみたことがあります。

娘と父がホテルで遊んでいる所をビデオに写していたのですが、2人のやり取りを見て、

丁度理解力?が同じくらいだなぁと感じたのを思い出します。

娘はどんどん成長し、父はどんどん分からなくなっていく。

今、丁度交差するところ。。。。すれ違っていく。

そんなことを切なく感じていました。

そんな父だったので、母は決して娘を抱っこさせなかった。

でも、帰り道のどこかのパーキング。。。。強者どもが夢の跡。。。の石碑があった所で、写真を撮るのに、何故だったか母は娘を父に抱っこさせたのです。

娘は何故かお手手パチパチ、父も満面の笑みでした。

母はこの写真を見る度に、抱っこさせてあげたら良かったのに。。。と16年経つ今でも言います。

父はその数年後、施設に入るのですが、施設で過ごす他の方のためにも、訪問する時は、子供達に子供らしく飛びっきり可愛い服を着せて連れて行きました。

よその赤ちゃんなのに、険しい顔をしてハイスピードで徘徊している方々も急に笑顔になって、やって来る。

子供の力はすごい。

存在だけで、人を幸せにするパワーがある。

そう私は感じています。

娘は物が分かるようになってきて、感受性の強い子だったこともあり、ある時、

「おじいちゃまをここに置いて帰りたくない!」と号泣したことがあり、それ以来、施設訪問は一人で行くことにしてしまいました。

娘が父と会ったのは、それが最後。。。。

私は子供とお年寄りは共にいることに、お互いにいい作用があると思っています、今でも。

そういう場がもっとある社会になればいいのになと